地方シンクタンク協議会 「インタビュー」記事

槙田 盤

発行年月: 20071031
掲載  : 地方シンクタンク協議会 機関誌『地域研究交流』77号
発行元 : 地方シンクタンク協議会
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地方シンクタンク協議会 「インタビュー」記事

株式会社 シィー・ディー・アイ  主任研究員 槙田 盤


[コミュニケーション×デザイン=CDI]
 シィー・ディー・アイとは Communication Design Institute の略ですが、コミュニケーションとデザインの研究をしているわけではありません。1970年創立に深く関わり、その後も交代で所長を務めた加藤秀俊と川添登、それぞれの専門分野を併記するだけでもなく、コミュニケーションをデザインするということで、世の中の風通しをよくしようというのが命名のココロだったのではないでしょうか。

[自己紹介と印象深いプロジェクト]
 わたし自身は大学で音楽学を学んでおりましたが、みずからが演奏したり研究するのではなく、社会と芸術との関係を深める仕事ができないものかと考えているときに、自治体などの芸術文化関係の仕事を実質的に担うシンクタンクなる業態があることを知り、応募して入社を許されました。
 こうした関係のプロジェクトでは、「京都市芸術文化振興計画」(1996年)が最も印象深いものです。26人もの芸術家等のお話をうかがい、検討委員会レベルだけで34回も会合を重ねていただいた結果、元の明倫小学校の建物を活用した京都芸術センターが開館されるなど、その後の京都市における政策の基盤となりました。芸術文化を都市政策の中心にすえ、若手や未評価な分野を支援するという方向性は、全国の芸術文化政策に大きな影響を与えているのではないでしょうか。
 国際交流基金による海外の日本語教育機関調査を断続的にさせていただいていますが、インターネットおよびユニコードの世界的な普及によって調査環境が劇的に変化しているのを痛感しています。ブラジルで修正・更新された回答が、すぐに集計できて印刷原稿にもなる・・・そうした調査システムを、プログラマーではなく研究者が自分で構築する時代がくるとは思ってもおりませんでした。

[シンクタンクに期待されることとみずからの心がけ]
 新しい組織や施設を作るときには、自立して考え動けるようにと計画するものですから、みなが考える力を持ち、シンクタンクなど必要のない世の中になればよいと、冗談まじりに考えます。地域においては特に、NPO組織、大学の先生などが従来のシンクタンクの機能を果たしておられますので、わたしたちは、より「今までにない」もの、より「みんながしあわせになる」状況をつくりだすために、自由な発想と実現力、プロとしての責任をもつ必要があります。
 わたしたちに知恵を求めるかたは、よほどの難問をかかえていますから、その課題をすぐにキャッチアップして、まずは解決への道筋を示し、そののち具体的な手順を重ねるように心がけています。そのためには、ふだんから幅広く関心を持って「基礎体力」を高めるよう、すぐにスタートダッシュできるように日頃から余裕をもつよう努力しています。また逆説的ですが、どんなプロジェクトでも、その内容にみずからの興味を深めてしまい、いとおしくなりますが、あまり愛しすぎないようにしています。現実には裏切られることも多いので。

[今後、やりたいこと、参加したいプロジェクト]
 一人ひとりの気持ち、思いを大切にし、その幸せな思いが広がっていく社会にするための手助けが少しでもできればと願っています。芸術文化を楽しむ環境整備もそうですが、たとえば、人々の記録、記憶、思い出をデジタルでうまく共有できれば、幸せが共鳴、拡大していくのではないでしょうか。そのためのツールの開発、社会インフラの整備、情報発信などに携わりたいと考えています。


槙田盤 MAKITA Van